お布団のような世界であれ

ずっとぬくぬくしていたくなるようなお布団の中。愛猫と愛犬と暮らしている我が家には、そんな温かさがあります。1日でも長くその温もりを守れるよう、気を付けていきたいことを綴っていきます。

肥満は『病気』です。

 

肥満は、正確にいうと病名ではありませんが、万病の元と言われています。

 

数年で10kgも肥えてしまった人間の私は耳が痛い話ですが、今回は自分のことは棚に上げて、わんちゃん猫ちゃんの肥満の恐ろしさとその予防についてお話ししてみたいと思います。

 

 

 

肥満とは。。

 

まず、肥満は『脂肪組織が過剰に蓄積した状態』と定義されています。

 

そもそも、わんちゃん猫ちゃんの肥満に気付いていない飼い主さんがとても多いように感じます。

 

私自身、何年か前に動物病院へ連れて行き、初めて愛猫の肥満に気付きました。

(おうちで毎日見ていると、肥っていることに気付かないんですよね、不思議。)

 

f:id:o-sachi:20200415122934j:plain

 

おそらく6.5kgあったデブ猫時代。(白茶トラのゆずひこ)

 

今は、1.5kgのダイエットに成功して、5kgをキープしています。

 

 

 

同じ犬種、猫種でも、理想の体重というのは個体によって異なります。

 

そのため、動物病院へ行き、獣医師に肥満であるかどうかを定期的に確認してみるのが確実でしょう。

 

しかし、特に猫ちゃんだとなかなか動物病院に行く機会も少ないかもしれません。

 

そこで、下記の表のようにボディコンディションスコア(BCS)というものが判断基準として設けられているので、参考にされると良いと思います。

 

 

 

f:id:o-sachi:20200419141745j:plain

f:id:o-sachi:20200419141804j:plain

 

 

 

なぜ肥る?!

 

肥満は、『二次性肥満』と『原発性肥満』の二種類に分けられています。

 

今回は、二次性肥満(病気が原因で起こる肥満)ではなく、原発性肥満(摂取エネルギーの過多で起こる肥満)について、お話しします。

 

原発性肥満の原因は、ずばり『 食物の与えすぎ』です。

つまり、飼い主の管理不足で、彼らを肥らせてしまっています。

 

わんちゃん猫ちゃんの1日の必要なカロリー量は、だいたい5kgのわんちゃんで350kcal、3kgの猫ちゃんで160kcal程度です。

 

1日当たりのエネルギー要求量のことをDER(daily energy requirement)と言い、これは休息時エネルギー要求量(RER:resting energy requirement) から求められます。

 

RER = 70 × 体重0.75 (kcal ME/日) 

DER = RER × 係数 (kcal ME/日)

 

f:id:o-sachi:20200421183350p:plain

 

 

ここで求めた必要カロリーを、あくまで目安とし、わんちゃん猫ちゃんの体調や体重の変化を観察し、給与量の微調整を行うと良いでしょう。

 

 

また、肥ってしまうタイミングとして、去勢・避妊手術がきっかけとなる場合が多いかと思います。

 

DERに掛ける係数が変わっていることからも分かるとおり、去勢・避妊手術後に身体として必要なカロリーは大幅に減少(犬では、術前と比べて30%程度低下)するため、給餌量を見直しする必要があります。

 

 

 

 

 

肥満が原因で発症しやすい病気

 

肥満のペットが必ず重い病気にかかるというわけではありません。

しかし、肥満が原因で起こりやすくなる病気はたくさんあります。

 

高脂血症

*高血圧

*心臓病

脂肪肝

*悪性腫瘍

*糖尿病

*関節疾患

など。

 

 

 

肥りやすい犬種

 

遺伝的要因によって肥りやすい犬種もいます。

 

*ケアン・テリア

*コッカー・スパニエル

シェットランド・シープドッグ

ダックスフント

バセット・ハウンド

*ビーグル

ラブラドール・レトリバー

 

上記の犬種は、肥りやすい犬種として認識されているので、飼い主さんは体型の変化に、より注意してあげる必要があります。

 

 

 

 

4つのダイエット法 

 

 

一般的に、1週間で、体重の1〜3%を減少させるのが理想的なダイエットとされています。

 

そこで、既に肥満気味のわんちゃん猫ちゃんのダイエット方法について、4つご紹介します。

 

 

1,給餌回数を増やす

 

人間と同様、一度に多くのごはんを食べると急激な血糖値の上昇が起こり、インスリンも多く分泌されます。

 

これを給餌回数を増やすことにより、インスリンの分泌を抑え、余ったエネルギーを蓄積させにくくすることができます。

 

なお、あくまで1日の給餌量を決めた上で、複数回に分けて与えます 。

 

 

2,ダイエット用のフードに切り替える

 

通常の食事による減量では、30%フード量を減らすと栄養素も30%カットされてしまいます。

 

そのため、必要な栄養素はすべて与えた上で、カロリー摂取量を減少させるためには、減量用の食事療法食を与えるのが効果的です。

 

ロイヤルカナン 猫用 満腹感サポート
by カエレバ

 

我が家のゆずひこは、ダイエット期間中はこちらのフードをあげていました。

 

高タンパクで食物繊維も多く含まれていることにより、満腹感を維持することができます。

 

関節の健康を維持する成分(コンドロイチン・グルコサミンとEPADHA)も含まれているため、四肢に負担がかかりがちな肥満児には最適です。

 

ゆずひこはとにかく食欲がすごいので、更に水でふやかしたものをあげていました。

 

 

 

※絶食は、ダメ、ゼッタイ!!※

 

絶食による減量は、短期間で目に見えて減量できる方法ですが、体タンパク質の損失率が高く、さまざまな組織に対するダメージが大きいため、健康上好ましくありません。

 

特に、猫では、肝リピドーシスを引き起こすため、たいへん危険です。

 

肝リピドーシス

肝臓に過剰に脂肪が蓄積する病気。

元気消失、嘔吐、下痢、黄疸や、重篤な場合は、意識障害、発作など神経障害も引き起こされる。

 

 

 

3,家族全員のやる気と理解を高める

 

ご家族の多い家庭であると、誰がどのくらいごはんやおやつをあげているかを把握することが難しい場合もあるかと思います。

 

そのため、想像以上にカロリーを摂取している可能性も。

 

ご家族でダイエット中という認識を共有し、ごはん係とおやつ係など、役割分担をすると1日の摂取量を管理しやすくなるでしょう。

 

可愛くおねだりをされてしまうと、何度でも美味しいおやつをあげたくなってしまうかもしれません。(わかります。)

 

わんちゃん猫ちゃんからの高感度アップのための抜けがけをしないよう、ご家族みんなが心を鬼にして1日の給餌量を管理していきましょう。

 

 

 

4,積極的な運動

 

わんちゃんや猫ちゃんは、活動量を増やすことで生じるエネルギー消費は少ないとされているため、この方法のみでの減量は困難かもしれません。

 

しかし、長年にわたって身体活動が不活発な状態が続くと、交感神経の働きが鈍くなり、消費エネルギーが低下して肥満に繋がるという説もあります。

 

よって、やはりダイエットのためには適度な運動も重要です。

 

なお、肥満によって既に運動器系疾患を併発している場合などは、四肢に対する負担が大きいので、過度の運動は控える必要があります。

 

 

 

 

最後に。。 

 

丸々とした方が可愛くて良い、と言われる方もとても多いです。

(たしかに、とても可愛い。。)

しかし、1日でも長く、元気に走りまわるわんちゃん猫ちゃんと過ごしたい!というのは、飼い主さん皆さんの願いだと思います。

 

そのためには、肥満を予防すること、つまり、肥満は『病気』という認識が重要なのです。

 

現在、おうちの子が肥満気味である場合は、彼らの健康を維持できるよう、ご家族でダイエットについて検討してみてはいかがでしょうか。